THE ALFEE まとめ

【会社の話】オモイをコトバにするとカタチになる

ほんの少しの懐かしさを残して漂う。

この感情がなんなのかわからなかった。

Loveじゃないことは確かだった。

LikeだけどただのLikeじゃなくて・・・大Like?

大Likeってなに?小Likeもあるってこと?それってもしかしてライスのことじゃない?定食の小ライスだったらちょっと安くなるんだよね?

 

 

 

今コロナだから。

危機管理も兼ねて、同じ部署でもメンバーを2階と3階に分けている。

我々は2階へ移動したメンバー。

言ってみれば弱者だ。

フットワークも軽く、行けって言っても文句を言わない若手メンバー。

 

 

 

その中に#さんがいる。

#さんはこの会社にこんな善き人がいたのかってくらい、善い人だった。

性格も明るくはきはき、目もキラキラ。

謙虚で積極的で背の低い善き人だった。

 

 

 

自分は会社では異端児だった。

元々パートだったから他の社員とは出自が違った。経験も違った。スキルも違った。

頼れる人がいなかった。

 

 

 

#さんはわたしによく話かけてくれていた。

それが何故だかよくわからなかった。

目を見て話してるつもりでも、ふと思い出すと、目を見て話してなかったな、と思うことがある。人から話しかけられ慣れてない弊害のクセが強い。

わたしは#さんの目と脳みそを通り越した先にある亜空間を見つめながら会話をしていた。

亜空間とはまともに会話は出来なかった。

 

 

それでも#さんは話しかけてくれていた。

気が付いたらわたしは#さんが大Likeになっていた。そう、つまり大盛ライスってこと。

この善き小柄な人は、周りの人を幸せにしてくれる、この人と周りの人がもっと幸せになるよう割と高めの振りかけを買ってこよう。

そう思った。

 

 

その後もしばらくわたしは#さんの奥にある亜空間と話していた。

亜空間との会話は続かない。お互いシャイなんだ。

 

 

コロナで同じ2階になってから。

わたしはよく#さんを頼るようになった。

異端児だから頼れる人がいないんだ。

 

 

いいや、そうじゃない。

誰を頼っていいかわからなかった。誰とも深い縁がなかったから。

わたしには#さんしかいなかった。

 

 

気が付いたら#さんと話せるようになっていた。

亜空間とは話さなくてもよくなった。

#さんも変化に気づいたようで、喜んでくれているようだった。

 

 

話かけられる以上に、話かけるのが苦手だった。

時には苦痛でもあった。

あまりに苦痛だから、心に「人当たりの良さそうな」お面を付けて人と接した。

お面はわたしを守るのに手軽で便利だったが、亜空間としか話せなかった。

今の職場に来て2年、気が付いたらお面の外し方を忘れていた。

 

 

この感情がなんなのかわからなかった。

Loveじゃないことは確かだった。

LikeだけどただのLikeじゃなくて・・・大Like?

大Likeってなに?小Likeもあるってこと?それってもしかしてライスのことじゃない?

いいや、そうじゃない。ライスじゃないよ。

振りかけを買ってもなんの意味もない。

 

 

そうだ、友達。

 

 

友達になりたいんだ。

 

 

久しく抱いたことのなかったおもい。

忘れかけていたもの。

いつしか考えるのをやめた感情。

 

 

会社で、友達を作る。

 

 

 

非常に単純明快だった。

どこにでもあるありふれたものだった。

言葉にするともやが晴れてすっきりした。

そうか、わたしは#さんと友達になりたいのか!

 

 

すっきりすると行動もすっきりする。足取りも軽い。

次の日、自分から#さんに挨拶しに行った。

 

 

「おはようございます!今日も一日よろしくお願いいたします!」

私は元気よく、亜空間と話していた。

#さんは少し不思議そうな顔をしたあと、いつもと変わらず、おはようございます!と言ってくれた。

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